ビールの歴史

ビールは古代メソポタミア文明で醸造が始まったと考えられています。ビールの醸造に関する最古の文字の記録は、紀元前3000年頃にメソポタミアのシュメール人によって粘土版にくさび形文字で書かれたものとされ、現在ビールの歴史は約5000年と考えられています。あのハンムラビ法典にもビールに関する条文が含まれています。

古代エジプトでもビールづくりが行われていたようで、ピラミッド建造の労働者には疲労回復飲料としてビールが配給されていたようです。メソポタミアでもエジプトでも、当時はまずパンを作り、それと水を混ぜ合わせて発酵させてビールにしていたようです。紀元前500年頃から現在のドイツ・オランダ・デンマークあたりに住んでいたと考えられる古代ゲルマン人が、現代と同じパンを経由しないビールの醸造を始めました。そして、4世紀から6世紀にかけて起きたあのゲルマン民族大移動によって、ヨーロッパ各地にビールづくりが広まりました。

古代において、ビールは遠征時に携行できる糧食にもなり、また、水が不衛生で安心して飲めない場合でも、水を沸騰させて作るビールは安全な飲み物として重宝されていました。ベルギービールのように伝統的なビールに修道院発祥のビールが含まれているのは、修道院では巡礼者に水に代わる安全な飲み物としてビールを提供する必要があり、古くから各地の修道院でビールづくりが行われていたという歴史的背景があるためです。

このように、ビールの歴史は私たちが学校で習った歴史と密接に結びついていて、非常に興味深い点が数多くあります。今後もビールの歴史に関して皆様に共有したいと思います。

こちらの記述は、一般社団法人日本ビール文化研究会『知って広がるビールの世界 日本ビール検定公式テキスト(2024年4月改訂版)』を参考にしました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です